斬捨御免 | ミトココロノココロミ

斬捨御免

敬愛する内田樹さんの本を読んでいるとこんな話が載っていた。

「むかしの人は刀をさしているから,左側の腰の後ろに数十センチのでっぱりがあった。これを当てることは『鞘当て』といって武士としては大変に恥ずかしいことで,鞘と鞘があたった場合は『無礼者』と言ってふりかえりざまに斬ってしまうような失態だったわけです。だから,これから進む空間だけじゃなくて,通り過ぎた空間に対しても気を配っていないといけない。(中略)そういう空間感覚は,現代人はあきらかに落ちてますよね。」

「鞘と鞘が当たった時って,どっちが斬るの?」とか,
「鞘って・・どの鞘?」とか,そういう疑問とかはさておき・・。

私は,街中を歩いていると,とてもイライラすることが多い。
で,このイライラの原因のほとんどは,
歩いてるやつらのこの「空間感覚の無さ」ゆえである。
人が近づくまでその存在に気付かずまっすぐ歩いてくるやつ,
気付いても人をよけないやつ,
後ろから人が来てて邪魔になってるのに気付かないやつ,
傘を水平に持ってそれを振りながら歩くやつ・・ほんとにイライラする。
で,あまりにも腹が立つので,わざとこっちからぶつかっていったり,
傘を水平に振ってるやつには,わざと刺さりに行って「いってぇ!」と叫んだり,
後ろから偶然を装って傘で傘の先を叩いたりする
(そんなことを話すと,ツマさんに「あんたいつか殺されるで」と言われた・・)。
我ながら大人気ない行動だとも思うが,でも,いいんだ。
むかしなら斬り殺されてるようなやつらなのだから。

しかし・・あの空間感覚の無さは病的だとさえ思う。