絶望 | ミトココロノココロミ

絶望

昔,矢野顕子さんが言っていた。

「世の中絶望することが多いけど,
私は歌で『絶望』なんて共有したくない。」と。

ピアノを軽く弾いて,笑いながら話していた矢野さんの顔が,
その瞬間,真顔になった。
とても,印象に残っている言葉である。

映画にしろ,テレビにしろ,本にしろ,芝居にしろ,ダンスにしろ,
金を払って,あるいは時間を費やして見たもので,
自意識の傷から吹き出した膿を煮こごらせたような
ドロドロした表現を見せられると心底気分が悪くなる。

私は絶望なんて共有したくない。