ばあちゃん | ミトココロノココロミ

ばあちゃん

なんだか眠れずこんな時間。

母方の祖母が今危ない状態にある。
なんでも転んで頭を打ったのが原因のようで。
最初は吐いたりしてかなり危険な状態だったが、
今は小康状態で意識もあるらしい。
ただ、頭に水がたまり熱も出ていて予断を許さない状態だそうだ。

気軽に行ける距離ならば見舞いにも行くところだが、
母方の田舎は愛媛県松山市のそば。
入籍を間近に控え、仕事も抱えてる状態では
そう簡単に行ける距離ではない。
昨日までうちの両親が見舞いに行っていた。
今日帰ってきてたので色々電話で話を聞いた。

なんでも、祖母はその日家の離れから出ようとした時に
ドアノブを掴み損ね、そのまま倒れてしまい
コンクリートの地面にしたたか頭を打ちつけ病院に運ばれたんだとか・・。
愛媛の他の親戚が見舞いに行った時には
意識が無い時は暴れるわ、
意識がある時はわがままを言うわでなかなか大変だったようだが、
うちの母親が行った時は子どものように素直であったという。
自分の子どもの中で唯一遠く離れた地に嫁いでいった娘に対する
想いの表れなんでしょうかね。
病院のベッドで
「こんなんなってしもぉたわぁ」
と力無く話すばあちゃんに母親が
「何言うてんのん。ここでちゃんと治療したら家に帰れるんよ?」
と慰めると、
それまでは母親の話に素直に
「ほぉじゃのぉ」
と答えていたばあちゃんもその時だけは何も答えなかったという。
ばあちゃんはきっと今覚悟をしているのでしょう。
病院のベッドで一人、死ぬことを覚悟する気持ちって
どんななんでしょうね。
母方のじいちゃんは、母親が私を身ごもっている時に亡くなりました。
それから36年間、ばあちゃんは一人だったわけです。
36年間・・私が生きてきた時間まるまま・・長い時間です。
どんな気持ちできたんでしょうね。

ばあちゃんは今年91歳。
仮に亡くなっても大往生といわれるような年齢だ。
でも、ばあちゃんはボケてはいません。
それどころか、親戚が集まっても
小さい目ぇの小さい小さいかわいらしいばあちゃんが
伊予弁で強烈な毒を吐きまくっていました。
いっそボケれていたら死ぬことなんて考えずに済むかもしれないのに。

そんなことを思っていたらなぜかこんな時間に。

つい先日母親と、式を挙げる際にばあちゃんを呼べるかどうか
話していた矢先のできごとである。
母親「そんなん無理無理!」
私「じゃあ、また愛媛の方には別で挨拶に行くわ」

母親が私の結婚の話をばあちゃんにすると、ばあちゃんは
「そうかえ。そりゃあよかった。あの子はえぇ子じゃけんのぉ」と。
こんなクソ息子ですら、ばあちゃんにとっては「えぇ子」なんだそうで。

できれば来週直接伝えに行きたいと今思っています。
行けるかどうかはまだ分からないけど。
直接話してちょっとでも喜ばせてあげたいと思っています。
考えたくはないが、恐らくそれが最後のばあちゃん孝行だから。
ばあちゃん、直接伝えに行くまで元気でいてね。